活動レポート 2023年秋

交換会で「種リクエスト」始めました

 2022年夏のたねの交換会の前に、千葉の脇田さんから欲しい種のリクエストをいただきました。種リクエストいいなって思い、11月の交換会の前にリクエストを募集したところ、島人参、島大根、ワイルドルッコラ、緑ナス、ピーマン、ショウガ、お花の種、レモングラスのリクエストが集まりました。

 そのおかげか、島人参、緑ナス、ピーマン、レモングラス、そしてお花は、エキナセア、バタフライピー、キク、コスモス、マリーゴールド、ひまわり、ニゲラ、カモミール、アイリス、多肉植物が集まりました。お花の種がこんなに集まったのは初めてで、みなさん喜んで持って行ってました。これからも種の交換会1か月前からリクエスト受付して、1週間前に参加者にご連絡したいと思います。

交換会エピソード ガーデン・ハックルベリー

西原さんが持ってきたのはガーデン・ハックルベリー。ブルーベリーよりアントシアニンが7倍から10倍あるそうで、「自分でもジャムにして毎日食べてるんですけど、気のせいかもしれないけど目がよくなった気がします。」とのこと。ナス科の一年草でイヌホウズキの仲間で食用の品種だそうです。

交換会エピソード コスモスとカモミール

 市川さんは昔ながらのコスモスを増やしてほしいと赤と白のコスモスの種を持ってきました。

 私の畑はコスモスだらけで、ピンク一色になっちゃって、赤と白が本当に少なくなっちゃいました。今日は増やしたくて赤と白のコスモスの種があります。その辺歩いていても黄花コスモスがすごく増えて、なんかもう気になってるんですね。日本のあの奥ゆかしいコスモスがなくなっちゃったら嫌だなってのもあります。よかったら協力していただきたいと思います。

 カモミールは、みんなこぼれ種で通路のところになぜか生えてきちゃうんです。踏んでも全然大丈夫で、香りもいいです。特にお薦めは玉葱、空豆の間にカモミールを植えたとき、そら豆にアブラムシが全くつかなかったです。


タイの暮らしに根づく薬草 ソラダさん

 「種」よく考えるととても面白い世界です。人間のように縛られたり決められたり堅苦しい法律もなくて、国境こえてどこの国にも飛んで行きます。人間が運ばなくても、風や鳥など自由自在に世界に広がって、とてもうらやましいと思います。

 今まで私たち自家採種を当たり前のようにやっていたのに、だんだん種苗会社が独占支配できるように色々な決まりの「種の法律」が問題になって、儲かるために種を買わせるようなシステムになってきました。本来私たちを守る法ではなくて、本当に誰のための法律なのかとても疑問に思います。

 タイでは昔、種を集めて元気なタネをとって、買わなくても自家採種して、持ってない種をお互いに交換していました。利益の目的より、自分たちのため子孫のため当たり前のように行動しました。さらに昔はタイの伝統野菜がたくさんあって色々な種類を食べていたのに、種を買わせるようになってから生活が変化してタイの伝統野菜どんどん減っていきました。

 今私たちに買わせる種は本当に安全なのかよく分かりません。種は食であり、食は商品や利益ではなくて命であると、私はよくタイの友人に言いました。種交換やタイの伝統野菜を残すために、自家採種の大切さを見直して、あちこちの村で活動を行っています。自分の命は自分で守る。法律や専門家や行政ではありません。命は利益ではなく大切なことです。本来、未来のため健康な種を残すために私たちの命もつながっているかもしれない。経済の成長とともに今まで金のため一生懸命働かせて物を買わせる時代になって、しかし不況が長引いて金より食の方が大事だとコロナと共にやっと気がつくタイ人が増えています。 

 前のタイ国王の提唱した「足るを知る経済」。人間の生きる要素の基本の生活の中、「衣食住薬」の身の丈の暮らし方、自給自立的なシンプルな人生を教えてくれました。種を取って食べたいものを作ってお金かけず、生き生きとした生活の中、病院へ行くより庭先で野菜とともに薬草も栽培しています。「医食同源」よく知られています。タイ料理では薬草をたくさん食べて、ということはタイにとって薬は伝統医薬や民間薬として存在しています。タイの国立病院では西洋医学とタイの伝統医学を共存しながら治療が行われています。また貧しい村人たちの経済自立のために薬草を栽培させて、病院で民間薬として使っています。さらに伝統医学を身近に使った薬草の薬効を研究して、タイの伝統医学や薬草の教育など国民の健康を支えていくことも活発に活動しています。

 今回新型コロナウイルスが感染拡大しても、医療崩壊あまりおこらなかったタイです。自己免疫力とタイの伝統医学の知恵が活かされていることかもしれません。コロナとともに共助の力のタイの社会。金や仕事など失った人々は食べ物を物々交換したりお互いに助け合いの精神で、無料の食べ物や野菜などくれる人ともらう人も分け合う棚が道端に置いてあります。また病院や医者の負担にならないようにコロナの不安を相談することなくて、寺やボランティア団体の資格を持つ伝統医学の医者のボランティアなど、無料相談や伝統薬を煎じて無料で配る活動から正しい薬草の使い方や教育など国民に伝え続けています。

 とくに昔から風邪の特効薬としてよく知られる「センシンレン」。コロナ治療に対する研究と試験を進めた結果が認められ、タイの伝統医学の知恵が病院で伝統医薬として病院で作られて、国民に簡単に手にとれるようになります。また種を無料で配って自分たちに栽培させて、いざとなると自分の身を守るようになります。

 この前、畑の仲間の日本人が野菜の収穫のときハチに刺されて、救急車で運ばれましたが急死しました。私は山の中で何回もハチに刺されたけれども、薬草の知恵で畑に薬草を栽培していたおかげで自分の命を助けました。タイでは毒虫や毒蛇が多いです。医学でも解明されていない薬草がたくさんあります。伝統医学の薬草の解毒剤として認めて使う病院もあります。私の山の中では最近マムシが増えてるので、いつも薬草を車の中においています。何かあった時病院へ行く前に役立つと思います。

 タイでよく知られている薬草を紹介します。

ペタムプン 学名:Gynura divaricata

日本の金時草によく似ている。タイのは緑色。中国や東南アジアでよく見られる。

 タイや中国では食用や伝統的に薬草として使われているスーパーフードと言われます。生活習慣病の予防、免疫力を高める効果、とくに血糖値を下げる効果、糖尿病や高血圧なども防ぐ力があります。炎症を抑える効果があるので、タイの伝統医学では口内炎やウイルスの疱疹や膿や痔疾によく使われています。とくにハチやムカデなどの毒虫に刺された時炎症を消す役割もあります。葉をつぶして焼酎を少し入れて、虫に刺されたところに塗れば炎症を抑えます。痔疾や口の周りのぶつぶつやウイルスで腫れた所にも塗って使います。食用にも、サラダや炒め物、またヨーグルトにハチミツと果物と入れてスムージーにしてもおいしいです。

毒キノコや毒虫、毒蛇などの解毒剤として使う民間伝統薬。病院が認めて作った。

薬草の苗

いろいろな薬草を食用として道端で売っている。

宮﨑あかりさんより 初参加の感想です

 種の交換会を知ったのは北海道のある雑貨屋さんで出会った本『現代農業2021年1月号 農家が教えるタネ取り タネ交換の本』でした。

まさにこんな素晴らしいイベントがあるなんてと今回初めて参加させていただきました。


 私は、自宅の一角に作った小さな畑で2年ほど栽培を楽しんでいます。

今回交換会に持参したのは綿とカモミールの種。

「こうやって綿ができるの知らなかったよ。コットンってこんなに種類があるんだ~!」と言ってくださったり、「カモミールティーはリラックスできるから好きなんです!」と種を持ち帰って頂いたり、たくさん交流してくださいました。

持ち寄られた中には入手困難な品種や、聞いたことのないお野菜、市場には出回りにくい種(傷みやすいけど美味しい)など様々でワクワクが止まらない時間となりました。

次回の種まきが楽しみです。


 以前の私は苗を購入し、育てて、実を味わい…でしたが、全ての苗が上手くいくわけでもなくダメにしてしまうこともありました。

そうなると、スーパーでお野菜を購入した方が安かったかな……と複雑な気持ちになります。

栽培の醍醐味は値段だけではありませんが、せっかく育てるならお金をかけずに味わいたいものです。

「それなら苗を購入するのではなくタネまき、採取も頑張ってみよう。来年にも繋がるように育てよう」と思うようになりました。

種とりはすごく根気のいる作業ですが、やり始めると夢中で、あっという間に時間が過ぎてしまいます。

みなさんが大切育てた植物から種を採り、またそれをおすそ分けし、次の世代に受け継がれて…そうやって種たちは今ここに存在しているんだな~と、感慨深く思うと同時に、そこに私も貢献できるということに嬉しく思います。

 タネの交換会、ぜひまた参加させて頂きたいと思います。 

種の販売が終了した仙台長ナス

直子の<たね採り語> その10

 うちでは早生真黒ナスと緑ナスを栽培していてどちらも、3月20日ごろに苗作りを始めて5月上旬に定植します。真黒ナスは7月下旬までがピークで、あとは小さいナスが少しとれるくらいです。緑ナスは9月10月にもよくとれ、霜が降りる11月下旬まで収穫できます。秋まで長期採りできるナスがもう1種類欲しいなと思ったときに、2018年に知人からもらった長ナスの苗が秋までよくとれたのを思い出しました。野口種苗研究所で仙台長ナスを買い、他のナスと同じように栽培したところ、真黒ナスと同じく7月上旬から取れ始め、樹勢もかなり強くて私と同じくらいの高さまで育ちました。9月下旬から10月にかけての長ナスのおいしいこと。皮が柔らかくて漬物がおいしく、みょうがと赤ジソと一緒に柴漬けにしたら最高のおいしさでした。

 野口種苗研究所のホームページで10月末のニュースで「仙台長ナスの販売終了」を知り驚きました。また、2023年1月のニュースでステラミニトマトがウイルス検出により入荷しなくなったそうです。少し交雑してでも、種を取り続ける重要性を感じています。2021年には、中生成功甘藍や早生真黒ナスも種苗会社で採種を終了しています。




ムクナ豆 どう育てる?どう食べる?

数年前からたねの交換会では「ムクナ豆」が人気です。ムクナ豆で眠れなかった知人が眠れるようになったとか、パーキンソン病の知人にあげて喜ばれているとか。ブームを巻き起こした今井さんに、交換会で話題になった食べ方や栽培補法について聞きました。

ムクナ豆のエピソードは活動レポートVol.13にも掲載しています。

ムクナ豆との出会い

 歳をとり 物忘れが多くなり、何か良い食べ物ないか調べていたらムクナ豆に出会いました。まずは、効くかどうか粉を買って試したら、効きました、Lドーパ。

 ムクナ豆をネットで作っている人を探し、ムクナ豆を手に入れ、皆んなにムクナ豆を分けてあげるんだと言って、主人が育てていました。

食べ方

粉にする方法:豆を煎って粉砕器で粉にします。

煮る方法:圧力鍋で煮る時は一晩水に漬け、水分を少なくして煮る。お鍋で煮る時は水に漬ける時間を長くする。煮汁は捨てない  (冷凍保存)

※一回に食べる量は3粒 朝、昼、晩3回が目安です。

栽培から種採りまで

種まきは かなり暖かくなってから、一晩水につけて蒔いて下さい。

2022年は寒くなるのが遅かったので11月末でも葉が落ちませんでした。

さやは乾燥させて、かなり硬いので花切りバサミのような物で割ります。